缶詰の常套句

万年筆とか写真とか。

中欧行、または私はいかにしてブダペストの動物園で寒がるのをやめて微妙みに萌えるようになったか

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アイキャッチ画像はハンガリーの国会議事堂。

 旅行をするとついステレオタイプを消費して喜んでしまう。顎の割れたドイツガイが適当にビールをサーブしてくれたり、陽気なトルコ系移民の運転手と盛り上がったりするとどうしたって嬉しいもので、それはでも既に自分の中にあった計画の追認でしかない。絵画の実物は常にそれ以上のものを与えてくれるから好きなのだが、まあ、そんな話は良い。ベルリン、ウィーン、ブダペストと遊びのためだけの旅行をした。ウィーンにはほとんどいる時間がなかったのだが、ベルリンでは20世紀前半の美術に溺れ、大好きなヴェンダース映画の舞台となった街を歩き回り、クラフトビールをじゃぶじゃぶ飲んだ。そして問題はブダペスト。二日間の滞在のハイライトは温泉だったが、当然写真は無いし、せっかくだから萌え萌えな動物園について書きたい。

 8日間の旅行で唯一の雨だった朝、サメやエイの居る水族館に向かえばよかったと後悔しながら傘も持たずに動物園に向かう。シベリアよりの寒波は去ったものの雨のため気温が低く、レンズがすぐ曇るので途中から写真は諦めた。9時に開館だが、どこの動物園でもそうであるように動物の展示は開館時間目一杯行われているわけではない。「朝早くはいろいろ閉まっているから、まずはアシカを観に行くといいよ」と入り口でお兄さんが教えてくれた。おそらくその日最初の客であって、飼育員と勘違いしているのか動物たちが寄ってくる。



 雨を凌げる屋内展示はどれも10時からで、無論、動物園なので、時間きっちりに開くわけではない。うろうろしながら寒さに耐え、いよいよ入ったところがこれ。
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どこだっけな。動物そっちのけで背景に目が言ってしまうこのなにか。なぜプロペラ機なんだ、素人のテラリウムなのかここは、と思いながら他の建物に行くとまたあった。
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いや、これは屋外かも。またしてもプロペラ機。やたらに気合の入った背景の絵は続くのである。オーストラリアの鳥のとこには、自転車まで置いてある。
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生息環境の再現が半端じゃない。自然らしさだけを出すにとどまらないところがにくい。萌え。やっぱりこれは萌えだと思う。

 そのほか、建物内にあるラジエーターが木に見えるようにペンキ塗りしてあったりと、内装にも余計な気遣いが多い。
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このモスク風の建物はゾウさんとカバさんのおうちであり、内装が非常に凝っている。
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レンズが曇りたおしていたが、カバさんのお部屋までこのコロニアル感。
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どうやらこの建物はインドとブダペストの何かの何かであるらしい(忘れた)。外の広場にはアジアゾウのご家族がいて、親っぽいゾウさんが泥浴びをしているのが見られた。泳ぐゾウは時々見られるが、泥浴びは初めて見た。この動物園のハイライトだったかもしれない。あとなんか恐竜がいる。
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熱帯の川魚が居る建物に入ると、マッドサイエンティストの実験質感あふれる水槽の背後にこのようなタイル張りの装飾がある。しかも、どこからともなく、カメラのピントを合わせる時の電子音みたいな音が規則的に聞こえてくるのでめっちゃ怖い。
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 さて、いい加減内装はおいておくとして、どうにも解せないのがこれなのだが。
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お分かりいただけるだろうか。ガラスに鳥の影絵。これが、ここだけでなく至る所に貼り付けられている。何故なのか。ここに居るのは、名前が分からんけど小さい陸の動物なので邪魔にはならないのだが、鳥など動物によってはこのシルエットが見え具合に大きく影響するのだが、特別かっこいいわけでもないこのこれは、何なのだろうな。萌えだよな。

 その他、微妙な日本庭園があって説明文の微妙な邦訳があったり、ワオキツネザルとクロースエンカウンターできる建物があったり、亀の上にミーアキャットが立っていたり、キリンのファミリーが居たり、シマハイエナが居たりと、時期と天候さえ良ければそこそこ楽しめるとは思う。ちなみに館内のトイレは無料。ブダペストに来てまで動物園に行くような動物園好きなら、きっとそれぞれの萌えを見つけることができるんじゃないかな!